2000年2月
●●● 夜間のスキー場を走るゲレンデ整備の圧雪車 ●●●
 スキーヤーのいなくなった真っ暗なゲレンデを、ライトをつけた7台の圧雪車がエンジン音を響かせながら登って行く。
「ここ(秋田県田沢湖スキー場)はゲレンデが広いので、夜間と早朝の2回に分けて作業しなければ整備が追いつきません」と運転する鈴木嘉明さん。
 全長5.5メートル、全幅5メートル、総重量8500キロの圧雪車には3つの機能がある。前方のブレードでデコボコを削り取る。幅広いキャタピラで雪を踏み固める。後部の回転するツメで凍った雪を砕いてならす。いわば、ブルドーザーと雪上車とトラクターを合体させてような機械だ。
 鈴木さんは、さまざまなレバーを操作しながら雪の斜面を登って下る。「猛吹雪の時は1メートル先が見えない時もある。こうなると、まっ白の世界ですべての感覚が狂ってしまいます。もう頂上かなと思っていたら、まだ中腹だったり、コースを外れていたこともあります」
 猛吹雪以上に恐いのは、サラサラした新雪が大量に積もった時だという。「この重い圧雪車がソリのように斜面をすべり落ちるんですから…。表層なだれの上に乗ってそのまま流されるようなものです」。それだけにこのような条件の時は全車が無線で連絡を取り合い、慎重に運転する。
「夜間は午後5時から、早朝は午前4時からそれぞれ4時間ほどかかります。夜の10時過ぎに作業が終わって、それから夕食。朝は4時前に全員起床、直ちに圧雪車の運転です」
 リフトが動き出す午前8時半前にはすべてのゲレンデの整備が完了する。楽しくスキーができるのも、この人たちのお陰だ。整備課の皆さん、ありがとう。これからも、よろしくお願いします。
スキー場1 スキー場2



前月 INDEX 翌月
翌年同月

Home