2001年2月 |
●●●●● やがては土になる大綱引きの大綱 ●●●●● | |
毎年旧暦の1月15日(今年は2月10日)に行われる西仙北町刈和野の大綱引き。毎年新しく作られる綱の直径は約67センチ。上町(二日町)の雄綱は42尋(約64メートル)で男の厄年を象徴。下町(五日町)の雌綱は33尋(約50メートル)で女の厄年を象徴。それぞれ3500束の稲ワラを使用し、おのおのの重さは約10トンにも達する巨大なものだ。 毎年作られるということは、前年に使用された大綱はどこかに置かれているはず。まさか焼却処分ということはあるまい。2月13日、西仙北町役場を訪ねて大綱のその後を聞いてみた。 「結び目をほどいて町内にある浮島神社に奉納してきました。数千人の力で引いた大綱だすから結び目は固くしまっています。刃物は絶対使ってはならないので、大槌やテコを使ってほどくんだす。この作業をして奉納し終わったのは午前1時だったですな」と、商工観光課の佐々木繁隆さん。 雪の降る中、浮島神社の境内に案内していただいた。大綱はふんわりとした雪をかぶり、ゆっくり休んでいるようにも見えた。 「毎年、ここの同じ場所に奉納してるすども、秋になれば本当にここに奉納したのかと思ってしまうほど、ペタンとなってすまうすな。なんぼか膨らみがあるかな?という程度です」と佐々木さんも不思議がる。約20トンもの稲ワラで作られた大綱は、10ヵ月ほどでほとんど土になってしまうということか? そういえば、かつて刈和野出身の友達に「大綱の下にはミミズがいっぺいでよ、そのミミズを使えば魚もいっぺ釣れる」と聞いたことがある。ミミズやたくさんの微生物が大綱を土に帰してくれていたのか!?数千人による綱引きにも劣らない、ミミズや微生物の力を思い知らされた。 | |
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