2000年12月 |
●● 水温約1度 10000m前後の深海で育つベニズワイガニ ●● | |
産地によっては「越前ガニ」「松葉ガニ」とも呼ばれているズワイガニは、乱獲がたたって水揚げ量が激減。今の季節、いいものは1パイ1万円以上と、まさに超高級品になってしまった。これに対して近縁種のベニズワイガニは、大きいものでもズワイガニの3分の1以下の価格。最近は道路沿いのあちこちに直売所もでき、比較的気軽に買えるようになったのもうれしい。 日本で本格的にベニズワイガニの漁が行われるようになったのは、昭和40年代の後半から。ズワイガニ資源の減少により、それまで見向きもされなかったベニズワイガニが新たな漁業資源として注目されるようになった。 このカニが生息しているのは水深500〜2700メートルの深海で、水温はなんと一度前後。光のまったく届かない、まっ暗やみの海底だという。現在、秋田県でこのカニを捕っている船は、たった2隻だ。 「うちの船が漁をしているのは男鹿沖の水深800〜1200メートルの海域。大きなカゴを沈めて漁をしています」。こう説明してくれたのは、カニカゴ漁船・第八男鹿丸(99トン)を所有している(株)男鹿水産の専務、菅原一さんだ。 秋田県水産振興センターの話によると、ベニズワイガニの移動距離はせいぜい50キロ程度。第八男鹿丸が捕っているカニは、男鹿沖生まれの男鹿沖育ちということになる。「水揚げしたカニの約8割は、本場といわれる富山や鳥取方面に出荷。地元秋田に出回るのは当社の直売も含めて2割程度ですかね」と菅原さん。生まれも育ちも男鹿沖のベニズワイガニ。県内での消費がもっと伸びてもよさそうに思うのだが…。 | |
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