2000年5月
●●● 土質が違うから味も違う?本荘・由利のサシボ自慢 ●●●
 山菜シーズンの到来と共に、各地域の山菜自慢が聞こえるようになってきた。
「おらほのワラビは粘るども、あの山の向こうのワラビは固くてうめぐね」等々、地域の山菜評論家たちは口角泡を飛ばす。
 中でもおもしろいのが、サシボ談義だ。サシボはイタドリの若芽で、ぬるぬるした食感とほのかな酸味が特徴。仙北郡内で育ったボクは、その名前すら聞いたことがなかった。雄勝郡、南秋田郡出身の友だちも「あんなもの、食うってが?何として?」と不思議がる。
 ところが、本荘・由利地方の人たちは、このサシボが大好きだという。
「おひたしもいいし、天ぷらもうめ。味噌汁に入れてもいいな。あんなにうめもの、なして食わねってよ」と、これまた不思議がる。矢島町(やしままち)出身の人の話によると、本荘・由利産のサシボは味が違うのだという。
「おがる(育つ)山の土の質が違うんだな。秋田市の近くの山のサシボなの、食われたもんでね。本荘・由利産といっても、子吉川を境にして西と東では味がまったく違う。とにかく、鳥海山のふもとのサシボは最高だ」と自信満々におっしゃる。
 4月中旬、秋田市民市場では100グラム400円前後で店頭に並んでいた。産地を聞くと、どこの店も「本荘・由利の方」と言う。味の違いについて聞くと「さあ?由利方面は春が早いから、出るのが早いだけでないの。本当に?」と笑う。
  長年、山菜を扱っている藤原商店のかあさんは「サシボは田楽もおいしいよ。串に刺して焼いて、味噌をつけてな…」とも教えてくれた。
 よーし。今年の春は各地のサシボを食べ比べてやるぞ。結果は、後ほど。
サシボ1 サシボ2



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