2000年9月 |
●●● 素潜り漁歴60年 今も現役78 歳の素潜り漁師 ●●● | |
象潟町の佐藤竹造さんは大正11年8月14日生まれの満78歳。今なお現役の漁師で、7月、8月の2カ月間は素潜り漁にも励む。素潜り漁師としては県内最高齢だ。 「子どもの頃から潜っていたども、仕事として潜るようになったのは18の頃から。当時はフンドシ一丁で、二つ目の水中メガネ。土用(7月20日頃)過ぎから潜り始めたもんだ」 真夏の海とはいえ、潜りを繰り返す程に体は心(しん)から冷える。1時間半もすれば海から上がり、仲間と一緒にたき火を囲んで体を暖めたという。 「当時はテングサ、エギス、フノリなどの海藻が主。アワビは放流もしてながったから数は少ねがったな。岩ガキはいっぺあったども、自家用にちょっととるだげ。やっぱり海藻が一番金になったな」 「ウエットスーツを着て足ヒレを付けるようになったのは、東京オリンピックの少し前だがら、昭和35、6年でねえべが。身体が冷えねぐなって、随分楽になったな」と佐藤さんは語る。 若い時は8ヒロ(12m)近くも潜ったという佐藤さんだが、最近はどんなに頑張っても4ヒロ(6m)が限度だという。 「今は主にアワビとエギスなどの海藻をとっているども、アワビは深く潜ればいいってもんでもねえ。勘だな、勘。俺は身長は約160cmだども、アワビはほとんど足の着く深さでとってるな。この辺だなって潜れば、目の前にアワビがパッ、パッと見える」。さすが勘の鋭い大ベテランだ。 「毎年潜ってるもんださげ、少々体がだるぐでも、潜ればシャキッとなるな。タバコは55で止めたし、晩しゃくはビール1本。まあ、節制もしてるがらよ。来年も潜るつもりだ」という元気な78歳だ。 | |
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