2001年8月 |
●● 冷水で洗って手で食べる清水の里の「さしまんま」
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最近は耳にすることも少なくなったが、「あめる」という言葉がある。秋田県教育委員会編の「秋田のことば」によれば、「あめる」とは「食物が腐って酸っぱいにおいがする」とある。 「私らが子どもの頃は冷蔵庫も炊飯器もなかったすべ。だから夏になれば前の晩に炊いたご飯が、昼頃になればあめかかってしまうことがあった。そんな時は『さしまんま』にして食べたもんです」。こう教えてくれたのは、清水の里として知られる六郷町のかあさんたち。 「清水の中でまま(ご飯)を洗えば、あめかかったままもサラサラになるし、においもしなくなるから食べられる。あめてなくても、暑い日が続いて食欲がなくなれば、よく、さしまんまをしたもんです。これは、ひゃっこくて、するすると口の中に入っていぐすから…」と説明しながらも手は清水の中でご飯を洗い続ける。 「おかずはガッコだな。夏はやっぱりナスやキュウリ。味噌漬けもいいすな。ちょっとしょっぺ(塩辛い)ガッコも清水で洗えば塩も抜けるし、冷めでぐなるんすべ」。右手でザルの中のご飯をすくっては口に入れ、次にガッコをがぶり。かつての少女たちは、子どもの頃に帰ったように実に楽しそうだ。 「私らの世代は絶対ご飯は捨てられねすな。もってねもの。釜の底にこびり付いたご飯でも清水の中で洗って集め、さしまんまにして食べたもんです」と六郷町の御台所清水の近くに住む矢尾利子さん(72)は言う。 ところでこの「さしまんま」、お行儀よくはしやスプーンを使って食べてはいけない。あくまでも手づかみでワイルドに!これが清水の里・六郷に伝わる正しい食べ方である。 | |
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